有明先生と瑞穂さん
そういうことを考えていると、ふっと片手が軽くなった。


「・・・・・・?口之津先生?」


千鳥足で有明に体重をかけて腕をつかんでいた口之津の体が離れたのだ。


そういえば少し大人しかった。


振り返るとさっきのテンションとは打って変わって大人しく、口元を押さえてうずくまっている。


「・・・わっ!!ヤバイ!!」


有明は慌てて口之津に駆け寄った。



「大丈夫ですか?!」

「う・・・・・・うえ・・・・・・気持ちワリィ・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・ッ!!駄目です!!
せめて道の端で・・・」

「えーーっヤダー!口之津先生きたなーい!」


酔った小浜は慌てる有明をよそに遠くでケラケラと笑った。


ひとまずすぐに人目にはつきにくい草の生えた電柱の影にかがませるが、さすがに吐くとこを見てしまうと・・・キツイ。

はじめは背中をさすっていた有明だったがそろそろかと言うときに慌てて有明は場所を離れた。



「うっ、すみません口之津先生・・・」





「うおええええ!!!」



「キャーーヤダー!きゃはははは」


「・・・・・・ハァ・・・」




有明が耳を押さえて小浜の元に駆け寄ると、また小浜は有明の腕にしがみつく。


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