有明先生と瑞穂さん
「ちっ・・・ちょぉおーーっ!!
駄目駄目駄目!!」


「え?どうしたの晴子?」


後から来ていた有馬と深江を慌てて静止する。
明らかに顔色のおかしい布津と瑞穂に二人は驚いた。


「あーっと・・・えーーっと!
やっぱウチ駄目だ!
駄目になった!
また今度にしよう!
その時はゆっくり泊まりでいいからさ!」

「は・・・?ここまで来て?
つか折角電車乗ったのに」

「そぉだよ晴ちゃーん。
定期効かないからキビシーんだよぉ!」

「ううっ・・・・・・」


ここで有明達と鉢合わせになっては大変なことになってしまう。
瑞穂はパニックになった頭をフル回転させた。


「そ、そうだ!布津んち行こう!
行ってみたくない?!
男の子んち!」

「ええっ?!俺んち?!」

「・・・・・・」


黙る二人に「やっぱり駄目か」と不安の汗が垂れる。

マンションの手前、ここを通らなければ入ることはできないが、布津の家なら違うルートを通って行くことができる。




「・・・・・・しょーがないわね」

「!!」


有馬が諦めたようにため息をついた。


「まー、部屋に何かけしからんモノ置いてることでも思い出したってとこかしら?
今日はカンベンしてあげるわよ」

「そ、そんなことはないけど・・・ま、そんなところかな・・・・・・」

「えええー?!俺んちー?!片付けてねーよ!!」


布津は慌てふためくが瑞穂が必死の目で訴えてくるため断れない。


「・・・マジかよ」


「じゃー布津君ち行こーう!そんでエロ本探そーっ!」

「!!!! ね、ねーよ!
エロ本なんてねーよ!!」

「ああ、エロ本ならこの間きちんと棚に戻しておいたからすぐ見つかると・・・」

「アレ瑞穂の仕業だったのかテメーーー!!!」


4人はぞろぞろと来た道を引き返した。
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