有明先生と瑞穂さん
「瑞穂はもう許してくれた?」

「・・・一応、電話では」

「は?昨日会ったんじゃなかったの?」

「・・・・・・」


会おうとしたけど会ってもらえなかった。


何もできなかったことが情けなくて黙ってしまった。



「瑞穂さん・・・具合悪そうだったから」


そんな言い訳に布津は大きくため息をつく。



「それ、本当に信じてる?」


――信じる信じないじゃない。

本人がそう言っているのに、それ以上なにもできないんだ。



「おととい、瑞穂わざわざ俺に会いに学校に来たよ」


「・・・・・・!」



思いっきり頭を殴られたような衝撃だった。


一瞬よぎる不安。




ようやく気づく。
瑞穂が自分を選んでくれたことで布津に対して安心していたことに――。
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