有明先生と瑞穂さん
有明は驚くことなく、それでも瑞穂から目を離さずに瑞穂の言葉に耳を傾ける。


一度枷が外れた言葉は次から次へと飛び出した。


「あ、あんな時間に小浜先生と二人っきりだなんて信じらんない・・・!
先に言ってくれればよかったのに・・・・・・
その時違うって言ってくれればよかったのに・・・

大体先生は優しすぎるから、あんなことされてもしっかり否定しないで・・・っ

先生は・・・

ごめんねばっかりで・・・

り、理由だって教えてくれないし・・・

あの後どうなったかだって凄い気になってたのに!」


そこまで言ってようやく瑞穂も有明の目を見た。


――ああ、嫌われてしまう。


一瞬そういう考えがよぎるが、有明の目は優しいままだ。



「・・・ごめんなさい」

「なんで謝るの?」

「だって私どうしようもないこと言った・・・」

「そんなことないよ」


ふふっと小さく有明が笑う。


「そうだね、理由言ってなかったね」


有明は立ち上がり、ようやく瑞穂の隣に腰を下ろした。



「もしかしたら気づいてないんじゃないかとは思ってたんだけど、実はあの場には口之津先生もいたんだ」

「え・・・そうなんですか」

「ちょうど影で見えないから、『ああしまったな』って思ったんだけどね。
酔った二人がどうしてもウチに来たいって公で騒ぐから、つい」

「アハハ、私と一緒だ」
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