有明先生と瑞穂さん
「俺、瑞穂さんがあんまりにもヤキモチとか不安とかそういうのを抱かないから安心してたんだと思う。
今回も瑞穂さんが『大丈夫』って言うから大丈夫なんだろうって。

布津君に言われたんだ。

瑞穂さんは布津君にしかワガママ言えないって。

正直、結構悔しい」


「え、そんなことは・・・」

「気を遣わなくていいって。
まだ俺達には一緒に過ごした時間も浅い。
こういうのばかりは気持ちの問題だけじゃない。
時間をかけなきゃどうにもならないことだってある」

「・・・・・・」


言葉に詰まって下を向くといつものように優しく髪を撫でて、そのまま頭を引き寄せられた。
抵抗することなく肩に頭を預けると、その頭に有明が自分の頭を軽く乗せる。




いつの間にか募っていたイライラは信じられないくらいに、今は綺麗さっぱりなくなった。


(はじめからきちんと会って話をしたらよかったんだ・・・)





「瑞穂さん、来週こそは一緒に出かけようね。
金曜日のお詫びもさせて」

「えっ・・・お詫びなんて・・・」

「俺がしたいんだ」


そう言われて瑞穂はうーんと頭を捻る。



「・・・それって今じゃ駄目ですか?」

「え・・・?今からじゃ開いてるお店も・・・」


「あ、あの・・・・・・キス・・・とかいろいろしてください」


「えっ」
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