有明先生と瑞穂さん
有明の反応に一気に顔が熱くなる。


(ウウワァアアア!!
『してください』はなかったかな?!
アアア何言ってんだ私ぃいい!!)


滝汗が流れるがそのまま固まって動けない。


有明が戸惑いがちに瑞穂を覗き込んだ。


「えっ・・・と、いろいろって・・・」

「え?」


見ると有明の顔も赤い。


「はっっ!!ち、ちが・・・そういういろいろじゃなくって・・・!!」

「えっ!!あ、ああ、そうだよね」


お互い目を見開いたまま固まる。


「・・・・・・わっ、私はただ・・・っ、なんて言うんですかね・・・、くっついたり・・・とか・・・」

「うん・・・」



(『イチャイチャしたい』ってどういう言い方すればいいんだろう)


そのまま伝えるにはあまりにも恥ずかしいが、他に言葉が浮かばない。


必死に頭をフル回転させていると、有明がやんわりと瑞穂の手を取り自分の頬に当てた。



「くっついたり・・・他には?」

「え・・・」


もう片手が瑞穂の頬に触れる。



「ほ、他には・・・えっと・・・抱きしめ、たり・・・」


瑞穂が言えば、有明は瑞穂の体を引き寄せぎゅっと抱きしめる。


その息苦しさが心地よくて目を閉じれば、それを堪能する前にまた体を離され目が合った。


「抱きしめたり・・・、他には?」


「え・・・えっ?!」



ようやく有明の考えていることがわかり瑞穂は顔を真っ赤にして驚いた。
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