有明先生と瑞穂さん

やわらかい唇がゆっくりとくっついて、そこから温度が伝わる。

それがすごく心地いいのに、そう感じれば感じるほど先生の思惑通りなのが悔しい。


逆らえばいいのにそれができないのは好きになった弱みというヤツか――。


瑞穂は有明のシャツをぎゅっと握り締めた。




（先生とのキス、好きだ･･･）


ゆっくりと離される唇に名残惜しさを感じながらそう思う。


瑞穂の呼吸に合わせてされるキスはすごく優しい。

唇が離れて目を開いた時の有明先生の優しい表情が好き。

頬や髪を撫でる手のひらや指先の感触が好き。




じんわりとした気持ちでそう思っていると、予想していなかったことを有明が言った。





「･･･他には？」



「えっ」