有明先生と瑞穂さん
――放課後。
瑞穂は部活で図書室のカウンターに座っていると入り口のドアが開く音がした。
今日は本を借りに来る生徒がほとんどいないので、自然と音のする方に目が行く。
入って来たのは小浜だった。
(げっ・・・小浜先生・・・)
『アレ』を目撃して以来、せっかく打ち解けていた小浜だがまた少し距離を置いている自分がいる。
「こんにちは、瑞穂さん」
「・・・・・・こんにちは」
あの日以来小浜と話すのはこれが初めてだ。
あの場を目撃してしまったのは自分だと気づいているはず・・・。
有明と瑞穂の関係を差し引いても少し気まずい。
(というか、私が小浜先生に対して嫌な感情を抱くのってちょっと罪悪感・・・)
小浜は自分が有明の彼女だとは知らないのだ。
(小浜先生を避けるのって駄目だよね)
瑞穂は勇気を出して自分から話しかけた。
「今日はどうされたんですか?探してる本があったら手伝います」
「ううん、いいの」
小浜は首をかしげて笑う。
「瑞穂さんに会いにきたのよ」
「・・・えっ」
「今日は時間に余裕があったから、この間のこと話そうと思って・・・。
金曜日の夜、見てたのって瑞穂さんなんでしょう?」
「・・・・・・」
どうしてわざわざそんなことを――?
ニコニコ笑う小浜の顔からは相変わらず考えていることが読み取れない。
瑞穂は部活で図書室のカウンターに座っていると入り口のドアが開く音がした。
今日は本を借りに来る生徒がほとんどいないので、自然と音のする方に目が行く。
入って来たのは小浜だった。
(げっ・・・小浜先生・・・)
『アレ』を目撃して以来、せっかく打ち解けていた小浜だがまた少し距離を置いている自分がいる。
「こんにちは、瑞穂さん」
「・・・・・・こんにちは」
あの日以来小浜と話すのはこれが初めてだ。
あの場を目撃してしまったのは自分だと気づいているはず・・・。
有明と瑞穂の関係を差し引いても少し気まずい。
(というか、私が小浜先生に対して嫌な感情を抱くのってちょっと罪悪感・・・)
小浜は自分が有明の彼女だとは知らないのだ。
(小浜先生を避けるのって駄目だよね)
瑞穂は勇気を出して自分から話しかけた。
「今日はどうされたんですか?探してる本があったら手伝います」
「ううん、いいの」
小浜は首をかしげて笑う。
「瑞穂さんに会いにきたのよ」
「・・・えっ」
「今日は時間に余裕があったから、この間のこと話そうと思って・・・。
金曜日の夜、見てたのって瑞穂さんなんでしょう?」
「・・・・・・」
どうしてわざわざそんなことを――?
ニコニコ笑う小浜の顔からは相変わらず考えていることが読み取れない。