有明先生と瑞穂さん
「それに予想できなかった事態じゃないから、アレ位ならね」

「だとしてもユルすぎます!」

「想定外のことがあるとしたら瑞穂さんの嘘が下手すぎることかな」

「それは想定できただろ」

「アハハハハ」

「アッハッハッハ」


「あの・・・全然笑えないんですけど・・・」


いつの間にか二人にからかわれた瑞穂は頬を膨らませて拗ねた。



「とりあえずそういうことだから、布津君よろしく」

「えぇ~~、なんで俺がふられた女の彼氏役とか惨めなことしなきゃなんねーんだよ」

「瑞穂さんのためなら何でもできるって言ってたじゃない」

「厳密にはコレ先生のためじゃねーか!!」

「ごめんねごめんね!
本当にごめんね布津!!」


なんだかんだ言いながら布津はそれを受け入れるのだ。



(ホンット、俺って損な役回り~)


すがすがしい顔をする有明と申し訳なさそうな瑞穂を乗せた車を見送り、ボリボリとお腹を掻きながらぼんやりとそんなことを考えていた。


(惨めだけどこういうことに慣れてきてる自分がいることも事実なんだよな~。
というかちょっと嬉しいのかも。

結局こんな形であれ瑞穂に必要とされてるってだけで満足しちゃってんだよな)


俺ってドMなのかな?
なんてことを考えながら、布津はあくびをして部屋に戻った。
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