有明先生と瑞穂さん
「それなのに先生が話を大げさにするからぁー!」

「俺からしたら瑞穂さんの方が大げさだよ・・・」

「んなっ?!」

「だって、イチイチデートを中止にしようだなんて」


駐車場に入り車を停めると、先に降りて助手席側のドアを開け、瑞穂に手を差し出した。


「たとえの話なのに本気にして泣いちゃうのも大げさ」


紳士みたいな行動を取りながら皮肉を言うその顔はまんざらでもなさそうだ。

言うこと・すること・表情全てがバラバラの有明に瑞穂はどう反応するべきか戸惑いながらも手を重ねる。



「人前を手繋いで歩くなんて恥ずかしくてイヤです」

「俺だってイヤだよ。
瑞穂さんの機嫌が直ったら離してあげる」

「機嫌悪いのは先生じゃないですかぁー!」





結局二人は子供のようにつっかかりながらお互い最後まで手は離さなかった。
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