有明先生と瑞穂さん
それでも肯定してしまっては駄目だと、瑞穂は頷くことも首を横に振ることもしないでじっとしていた。

それなのに小浜は話を進める。



「・・・・・・バレたくないわよね」


「そんなありえない話突然されても笑われちゃいますよ・・・?」


瑞穂なりの精一杯の皮肉を小浜は小馬鹿にしたように笑った。





「貴女って性格悪いのね」



「――――!!」




ドクン




心臓が大きな音を立てる。



目の前が一瞬真っ暗になって、視界いっぱいにいるはずの小浜が別の人物に見えた。




『最近布津君と仲いいよね』

『男の子と二人だけで遊ぶの?なんかそれ変だよ』

『付き合ってもいないのに男の子と遊ぶのは『タラシ』なんだよ。それよくないんだよ』

『晴ちゃんは何でもできるから人気者でいいよね』

『晴ちゃんは何でも完璧にできるから一人でもいいんだよ』

『あの子は女友達より男がいればいいんだよ』



―――フーちゃん


昔瑞穂と仲がよかったはずなのに、突然崩れてしまった関係。


冷たい眼で、遠くからヒソヒソと



ささやく。





『あの子って性格悪いよね』












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