有明先生と瑞穂さん
「晴子。アンタが有明先生と付き合ってるって噂が流れてるんだけど、知ってる?」
「・・・・・・ウン」
なぜか不機嫌そうな有馬に、取調べかというほど詰め寄られながらも瑞穂は頷いた。
「噂で怒んなよ有馬!」
布津が必死でなだめる。
「なんかこの間のお姫様抱っこが変な風に曲がって話が流れてるらしいけど」
「そんなにスゴかったの?結も見たかったかも~」
「ウチもお姫様抱っこされたい・・・」
「有馬は口之津にしてもらえば?」
布津が小柄な深江を軽々とお姫様抱っこしてヘラヘラ笑いながら言うと、有馬はギロリと睨みつけた。
「ていうか布津も結ちゃんも目立つんだからヤメナサイよ・・・」
そんなことを言いながら、今目立っているのは自分か・・・と瑞穂は肩を落とした。
噂はなぜか、ジワジワと拡大する――。
瑞穂を知る者は有明との仲が他の生徒と比べ特別なものではないとわかっているので、はじめは笑っていた。
しかし今まで瑞穂はあまり人と広く深く関わろうとしなかったために信用は薄く、その人たちも噂が拡大するにつれて段々と疑う者が出はじめた。
一方、有明と瑞穂の噂が流れる前から、口之津と有馬が付き合っているということも噂レベルで厳かに周囲に知られているのだが、二人は他人から見て素行が悪いために「あの二人なら仕方ない」という目で見られ、大きな話にはなっていない。
しかしそれが前提にあるゆえに、教師と生徒が付き合うということは今まで以上に『悪』とされ、その噂はどんどん話を変えて黒い渦となって広がっていった。
「・・・・・・ウン」
なぜか不機嫌そうな有馬に、取調べかというほど詰め寄られながらも瑞穂は頷いた。
「噂で怒んなよ有馬!」
布津が必死でなだめる。
「なんかこの間のお姫様抱っこが変な風に曲がって話が流れてるらしいけど」
「そんなにスゴかったの?結も見たかったかも~」
「ウチもお姫様抱っこされたい・・・」
「有馬は口之津にしてもらえば?」
布津が小柄な深江を軽々とお姫様抱っこしてヘラヘラ笑いながら言うと、有馬はギロリと睨みつけた。
「ていうか布津も結ちゃんも目立つんだからヤメナサイよ・・・」
そんなことを言いながら、今目立っているのは自分か・・・と瑞穂は肩を落とした。
噂はなぜか、ジワジワと拡大する――。
瑞穂を知る者は有明との仲が他の生徒と比べ特別なものではないとわかっているので、はじめは笑っていた。
しかし今まで瑞穂はあまり人と広く深く関わろうとしなかったために信用は薄く、その人たちも噂が拡大するにつれて段々と疑う者が出はじめた。
一方、有明と瑞穂の噂が流れる前から、口之津と有馬が付き合っているということも噂レベルで厳かに周囲に知られているのだが、二人は他人から見て素行が悪いために「あの二人なら仕方ない」という目で見られ、大きな話にはなっていない。
しかしそれが前提にあるゆえに、教師と生徒が付き合うということは今まで以上に『悪』とされ、その噂はどんどん話を変えて黒い渦となって広がっていった。