有明先生と瑞穂さん
「・・・・・・?」
さっきまで自分の前にも後ろにも人なんていなかったのに、どこから出てきたのだろう。
そしてこの人は誰だろうかといろいろな疑問が浮かぶ。
痩せていて白い、暗そうな女生徒が立っていた。
今まで嫌がらせなどをしてきたのはどれも、派手な格好をしていたり集団でつるんでいたりするような生徒ばかりだったので、瑞穂は何の用だろうかと首をかしげる。
「私ですか?」
他に人なんていないがとりあえず聞くと、その女子は答えることなくグンと瑞穂に近づいた。
「!」
瑞穂の体が反射的にのけぞる。
細く釣りあがった目がどこか普通じゃなくて怖い。
「あ、あの・・・」
「瑞穂さんって貴女よね」
「はい、そうですけど・・・」
「有明先生と付き合ってるって本当なの?」
「!」
顔を思いっきり近づけられ低い声で言う彼女に恐怖を感じ、思わず瑞穂は逃げようと後ずさる。
しかし彼女はそれを許さず、瑞穂の手を思いっきりつかんだ。
「痛ッ!!」
長い爪がギリリと食い込む。
(やばっ・・・この人普通じゃない!!)
手を振りほどこうとするが、痩せた体のどこからそんな力が出るのかびくともしない。
「は、離して・・・!!」
「答えてよ!」
「付き合ってない!!付き合ってるわけないじゃないですか!!」
違うと答えるのにその女子は細い目を見開いてもう片方の手で瑞穂の肩を思いっきり掴んだ。
人差し指と親指だけは首に当たり、また爪が食い込む。
「きゃっ・・・!!」
それは手を掴まれた時よりも痛く、そして苦しくて、瑞穂の目尻に涙が浮かんだ。
さっきまで自分の前にも後ろにも人なんていなかったのに、どこから出てきたのだろう。
そしてこの人は誰だろうかといろいろな疑問が浮かぶ。
痩せていて白い、暗そうな女生徒が立っていた。
今まで嫌がらせなどをしてきたのはどれも、派手な格好をしていたり集団でつるんでいたりするような生徒ばかりだったので、瑞穂は何の用だろうかと首をかしげる。
「私ですか?」
他に人なんていないがとりあえず聞くと、その女子は答えることなくグンと瑞穂に近づいた。
「!」
瑞穂の体が反射的にのけぞる。
細く釣りあがった目がどこか普通じゃなくて怖い。
「あ、あの・・・」
「瑞穂さんって貴女よね」
「はい、そうですけど・・・」
「有明先生と付き合ってるって本当なの?」
「!」
顔を思いっきり近づけられ低い声で言う彼女に恐怖を感じ、思わず瑞穂は逃げようと後ずさる。
しかし彼女はそれを許さず、瑞穂の手を思いっきりつかんだ。
「痛ッ!!」
長い爪がギリリと食い込む。
(やばっ・・・この人普通じゃない!!)
手を振りほどこうとするが、痩せた体のどこからそんな力が出るのかびくともしない。
「は、離して・・・!!」
「答えてよ!」
「付き合ってない!!付き合ってるわけないじゃないですか!!」
違うと答えるのにその女子は細い目を見開いてもう片方の手で瑞穂の肩を思いっきり掴んだ。
人差し指と親指だけは首に当たり、また爪が食い込む。
「きゃっ・・・!!」
それは手を掴まれた時よりも痛く、そして苦しくて、瑞穂の目尻に涙が浮かんだ。