有明先生と瑞穂さん
「貴女達のことを知ってるのは私だけなら、まず間違いなく有明先生からも私が疑われるわよね」


瑞穂はハッとする。
――自分よりも勘もよければ頭もキレる有明先生がこの噂を知ったら真っ先に小浜先生を疑うに違いない・・・・・・。


「そしてデメリット二つめ。
貴女なんかどうなっても構わないけど、私は有明先生まで貶めたいなんて思わないわ。

だから、そうね・・・どうせ私が流すなら、口之津先生あたりで流すと思わない?」

「・・・・・・」









表面上あざ笑いながら、小浜は黙り込んだ瑞穂を見て内心怒り狂っていた。


(視界に入れるだけでも嫌気がさすわ・・・)


ぎりりと奥歯を噛み締める。





――本当ならば、有馬と騒動を起こした時に自分と有明が噂になればいいと思った。

そういうつもりでわざと騒動を起こさせた・・・。


なのに有明が現れて、瑞穂まで現れて、

瑞穂は階段から落ち

有明は見せつけるように瑞穂の体を抱え上げた。


羨むような女子生徒の黄色い悲鳴。本当は私が浴びる予定だったのに――



(どうしてこんな子なんかに――!)





だから、


計画は変更。





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