有明先生と瑞穂さん
傷つけば痛いけど、いずれかさぶたができて怪我した場所はどんどん強くなるもので。
一日しっかり休息をとった瑞穂は少しだけ強くなっていた。
今までなるべく一人にならないようにしていたが瑞穂は昼休み、一人で校舎の外を歩いていた。
たまたま担任の近くにいたばかりに雑用を押し付けられ、ノートを集めて職員室に持ってくるように頼まれたのだ。
相変わらず有馬や布津はすぐにノートを提出できる状況ではなく、「終わったらすぐに追いかけるから!」と瑞穂のノートを必死に写していた。
瑞穂の心境は変化しても周りの態度は変わらないもので、相変わらず顔も知らない生徒から指を指されヒソヒソと聞こえる声で嘘か本当かもわからない噂話をする。
しかし瑞穂はそれを見つけるたびに立ち止まって、ただじっとその生徒を無表情で見つめた。
すると不思議なことにその視線に気づいた生徒達はバツが悪そうに視線を泳がせ、仕舞いにはその場からそそくさと逃げるように離れてしまう。
まだ今日は怖い先輩達には絡まれていないがどうするのが一番いいだろうか。
今度は大声でも出してみようか――
(あ・・・でもこの間の女の人に会ったら・・・?)
細い目の、大人しそうな女子生徒。
彼女だけは少し違う。
有明先生に対して本気だ。
あの目と掴まれた時の強い力を思い出してゾッとする。
瑞穂は思わずその場に立ち尽くした。
――アンタなんていなくなればいい――
「おい!!危ねえ!!!」
「え・・・?」
ガシャーーーン!!!
声のした方を振り向くと、それを確認する前に何者かに突き飛ばされ
視界は暗転。
何かが割れる大きな音が近くで響いた。
一日しっかり休息をとった瑞穂は少しだけ強くなっていた。
今までなるべく一人にならないようにしていたが瑞穂は昼休み、一人で校舎の外を歩いていた。
たまたま担任の近くにいたばかりに雑用を押し付けられ、ノートを集めて職員室に持ってくるように頼まれたのだ。
相変わらず有馬や布津はすぐにノートを提出できる状況ではなく、「終わったらすぐに追いかけるから!」と瑞穂のノートを必死に写していた。
瑞穂の心境は変化しても周りの態度は変わらないもので、相変わらず顔も知らない生徒から指を指されヒソヒソと聞こえる声で嘘か本当かもわからない噂話をする。
しかし瑞穂はそれを見つけるたびに立ち止まって、ただじっとその生徒を無表情で見つめた。
すると不思議なことにその視線に気づいた生徒達はバツが悪そうに視線を泳がせ、仕舞いにはその場からそそくさと逃げるように離れてしまう。
まだ今日は怖い先輩達には絡まれていないがどうするのが一番いいだろうか。
今度は大声でも出してみようか――
(あ・・・でもこの間の女の人に会ったら・・・?)
細い目の、大人しそうな女子生徒。
彼女だけは少し違う。
有明先生に対して本気だ。
あの目と掴まれた時の強い力を思い出してゾッとする。
瑞穂は思わずその場に立ち尽くした。
――アンタなんていなくなればいい――
「おい!!危ねえ!!!」
「え・・・?」
ガシャーーーン!!!
声のした方を振り向くと、それを確認する前に何者かに突き飛ばされ
視界は暗転。
何かが割れる大きな音が近くで響いた。