有明先生と瑞穂さん
「口之津先生は怪我はありませんでしたか?ガラスの上に倒れてましたよね」
「俺は全然。そんなヤワじゃないっすから!」
「はは、僕がヤワってことですか」
「そうなりますね」
お礼のつもりとは言え、有明がこういうことをするのは珍しい。
仕事中は仕事人間。
そんな有明は無駄な時間や付き合いはなるべく避けていた。
だから口之津は今、有明に近づけたような気がして嬉しい。
「・・・いや、昨日の有明先生はカッコよかったです。
俺の目指す教師像とは間逆だけど、やっぱり俺の憧れの教師っすよ」
「え・・・・・・」
突然素直に褒められ、うまく返すことができずに有明は口之津の顔を見た。
素直な口之津だがそれでも少し恥ずかしいのか正面を向いていて、有明の方を見ない。
横顔のまま口之津は口からタバコの煙を空に向かって吐き出した。
「あんな立場になっても冷静で客観的に物事を見れる。
俺にはできません」
「・・・内心焦ってましたよ、僕だって」
「それだけじゃないです。
ずっとね、有明先生って生徒を突き放してると思ってたんですよ。
仕事以上の付き合いは持たない、みたいな。
俺はもっと生徒達と関わりたいし、生徒達の成長を手助けしてやりたい。
・・・まだ未熟だけど、少しだけ彼らより大人な俺が教えてあげられることがあれば何だってしてあげたい。
そう思ってました。
だから有明先生はどうして教師になろうと思ったんだろうって、生徒への接し方見てて思ってたんです。
・・・でも違いました。
有明先生は有明先生で、近からず遠からず
生徒との距離を保ってました。
突き放すような態度や言葉でも、ちゃんと生徒を見てて諭す。
だから、
尊敬してます」
「・・・・・・」
「俺は全然。そんなヤワじゃないっすから!」
「はは、僕がヤワってことですか」
「そうなりますね」
お礼のつもりとは言え、有明がこういうことをするのは珍しい。
仕事中は仕事人間。
そんな有明は無駄な時間や付き合いはなるべく避けていた。
だから口之津は今、有明に近づけたような気がして嬉しい。
「・・・いや、昨日の有明先生はカッコよかったです。
俺の目指す教師像とは間逆だけど、やっぱり俺の憧れの教師っすよ」
「え・・・・・・」
突然素直に褒められ、うまく返すことができずに有明は口之津の顔を見た。
素直な口之津だがそれでも少し恥ずかしいのか正面を向いていて、有明の方を見ない。
横顔のまま口之津は口からタバコの煙を空に向かって吐き出した。
「あんな立場になっても冷静で客観的に物事を見れる。
俺にはできません」
「・・・内心焦ってましたよ、僕だって」
「それだけじゃないです。
ずっとね、有明先生って生徒を突き放してると思ってたんですよ。
仕事以上の付き合いは持たない、みたいな。
俺はもっと生徒達と関わりたいし、生徒達の成長を手助けしてやりたい。
・・・まだ未熟だけど、少しだけ彼らより大人な俺が教えてあげられることがあれば何だってしてあげたい。
そう思ってました。
だから有明先生はどうして教師になろうと思ったんだろうって、生徒への接し方見てて思ってたんです。
・・・でも違いました。
有明先生は有明先生で、近からず遠からず
生徒との距離を保ってました。
突き放すような態度や言葉でも、ちゃんと生徒を見てて諭す。
だから、
尊敬してます」
「・・・・・・」