有明先生と瑞穂さん
――自分を、そういう風に見てくれる人がいたのか――
きちんと見てくれる人がいたのか――
少し過大評価だ、とくすぐったいところもあるがそれでも有明は少しだけ励まされたような気がした。
瑞穂に対する気持ちに、社会的に罪悪感がないわけではない。
平気であんな嘘をついて、全く良心が痛まないことはない。
教師としてこれでいいのか、いつも問いかけてばかりだ。
3年の女子生徒――吾妻へも、生徒へ思わせぶりな態度を取ってしまっていたのではないか・・・
彼女のことをもっと早く気づいてあげることができたのではないか・・・
本当はそういう気持ちがずっとあった。