有明先生と瑞穂さん
布津は昔から運動バカだった。

勉強は全くできないがスポーツはほとんどが上位。

4年生の時点では足はクラス1速かったし力もある。縄跳びだって誰もできない技をできる。



「いけー!大介!新記録出せ!」


だから今日だって新記録を出すことしか頭になく隣で同時に計測する女子のことなんて目にも入っていなかった。



「位置についてー…」


「よーい」



パン!!



「行けーーー!!大介ーーー!!」


(よし!スタートダッシュはかなりいい!!)

これはいけると布津が体を倒したその時、隣にふっと影が見える。


(何…?!)


隣をさっきの女子がいとも簡単に抜き差って、まるで重力なんてないかのように追い抜く。


「くっ…」


布津も必死で体を倒して差を詰める。


だが最後まで彼女を追い抜くことはできず、それどころかゴールの寸前は背中まで見せられる程の差をつけられてしまった。
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