有明先生と瑞穂さん
ある日の放課後、布津は見てしまう。

そこは学校のグラウンドではなく公園だった。


一人鉄棒でくるくるまわる少女。

――瑞穂だ。

今までに布津が教えた技、布津すら知らない技、それを合わせた連続技をくるくるとただ無表情でまわっていた。



「おい」


周りに同級生はいないので話しかける。

瑞穂はくるんとまわって鉄棒に座ると布津の方を見た。



「すごいな、こんなことできるようになってたんだ」


「・・・」

瑞穂はうつむいた。


「…でも全然楽しくないんだあ」

布津から表情は見えなかったが丸くなった背中が寂しそうだった。
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