有明先生と瑞穂さん
瑞穂は鉄棒からぴょんと飛び降りる。


「布津ぅ」

「…なんだ」

「私そんな完璧とかじゃないよ」

「・・・」

「たまたま、うまくできただけだよ」

「うん」

「鉄棒とかサッカーとか、スポーツは布津と遊ぶのが楽しいから練習したよ」

「知ってる」

「ピアノ弾けたらみんな褒めてくれたからまた練習したんだ」

「そうか」

「勉強だってみんなが宿題とか聞いてくるから勉強したの」

「うん…」




「…得意げになってたのかなぁ…」


瑞穂の声がかすれ肩がブルブル震えた。


『そんなことない』

言おうとしてやめた。
そんなことを言ったって気休めにしか聞こえないだろう。


それでも他に何と声をかけていいかわからず、布津はただ瑞穂に背中合わせに座り泣き止むまでそばにいた。
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