有明先生と瑞穂さん

―――現在、

うだる暑さのグラウンドで走る瑞穂を見て布津は昔を思い出していた。




「布津ってほんと瑞穂のこと好きみたいね」

有馬が言う。

「はぇっ！？な、なん…」


「深い愛を感じるよぉー。羨ましいー…」

うっとりしながら深江が言う。


「フーン、深い愛ねー。ねえ瑞穂のどこがいいの？
そんなゾッコンになる程美人かぁ？」



「…バッカ、あ、アイツはなぁ、ほら」


「何よ」




「アイツ本当に笑ったらスッゲーーーかわいいんだぞ！！」


顔を真っ赤にして布津がリキむ。
そこまで恥ずかしいなら言わなければいいのに…素直なバカだ。



有馬が瑞穂をチラリと見ると他の友達と談笑していた。


「…笑ってるけど」

「あっ、アレじゃねーよ」

「はぁ…」


「本当はもっと本気で笑うんだよ…」