有明先生と瑞穂さん
昼3時ごろになると誰かが休もうと言い出し喫茶店に入って軽食を取った。


既に瑞穂の両手にはたくさん買ったものがぶら下がっていた。

布津も結構持ってくれていたのだがみんなと別れてそれを一人で持って家まで帰るのかと思うとゾッとした。


「晴ちゃん結構お金持ってたねー。お小遣い貰ったの?」

「いやー貯金だよ」

「晴子結構持ってそうだよね。物欲なさそうだから…」

真実すぎて否定できない。


「加津佐さんって働いてるの?社会人だから結構お金持ってる?」

「実はまだ社会に出て一年だから生活厳しいのよー」

だから有明の家に入り浸ってるのか。

(まてまて、有明先生だって所得は違えどそんな変わらないはずだけど)

少し考えて、人の金銭面や生活のことを考えるのはよそうといろんな疑問を打ち消す。

「加津佐さんっていくつ?」

「俺?23よ」

「うは!有明先生と同い年だ!」

年が一緒というだけで有馬がはしゃぐ。
同時に瑞穂の顔がこわばった。

そっと加津佐を見るとニヤニヤしていた。


「有明先生?だれそれ!」

(知ってるくせに…)

「イケメン!加津佐さんとは人種違うってくらい落ち着いてるしかっこいいよ」

「ぬぐぅ…」

悔しそうな顔に瑞穂は噴き出す。


「イケメン教師なんて敵だよなあ布津!」

「ん?あぁ…有明そんな悪い奴じゃねーしあんまり怒らないから別に嫌いでもなんでも」

同性の布津からも同意してもらえず加津佐は唇をかみしめた。
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