有明先生と瑞穂さん
広めの店内をうろうろ見てまわりながら「確かに私達にも合せ方によっては着れそうだ」と瑞穂は関心する。


目についたタンクトップを手にとって値札を見てみると

「高っ!」

思わず声が出た。

(高校生には買えません!)

「ちょっとー晴ちゃん恥ずかしいんだけどー」

深江が声を聞いて寄ってくる。

「ご、ごめん・・・」

いつもは周りがうるさいことを気にしているだけに自分が指摘されると少しショックだ。


「ねえメンズって高いね・・・全部こうなの?」

「うちらが行った店は結構安いとこだったのもあるけど、男の服って同じくらい安いの着ちゃうと結構安っぽさが出ちゃうんだよねー」

どこから仕入れた情報かはわからないが関心する。

「ウロウロするのもいいけどこの店内入り組んでるから迷子にならないようにね」

そういって深江はまたどこかへ立ち去った。

(さすがに迷子にはならないよ・・・)


一通りまわると加津佐が原色のシャツを手に持っている。

(見た目どおりハデ好きだよね・・・)

加津佐のいる棚を通り過ぎ試着室付近に近づくと

「あ」

と言う声がして思わず振り向いた。

「!」

「・・・瑞穂さん」



「えっ・・・有明先生!」
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