有明先生と瑞穂さん
「そ、そんな見られてるとは思わなかったです…」


恥ずかしくなりうつむくと有明先生は歩く速度を緩め隣に立った。


瑞穂は返事がないことを不思議に思い顔を上げようとすると指にそっと暖かいものが触れる。


思わず手に目を向けたが見る前にそれが有明先生の指だとわかった。


遠慮がちに指で指を、振りほどけばすぐにでも離れてしまいそうな程緩く握られているのに振りほどくこともできずに固まってしまう。


先生の顔を見ると、いつかエレベーターでキスをされそうになった時に似た表情をして瑞穂を見ていた。





「…あの、」




「…手、繋いでもいい?」




瑞穂の顔が更に熱くなる。

返事ができない。
何か言おうとしても言葉にならない。

瑞穂はうつむいてしまった。
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