有明先生と瑞穂さん
「・・・・・・」

聞いておきながら、瑞穂は言葉に詰まる。

(こういうとき、なんて返せばいいんだろう)


『自分を好きになった理由はなんですか?』
だなんて、もう一度告白させたようなもの。

うまい言葉なんて出てこない。



有明先生の手がぎゅっと力を入れた。


「・・・その時のこと覚えてる?」

「・・・少しだけ」


実は瑞穂は何かあって落ち込むと一人になりたくて外に出る。

自分の部屋でもいいけれどなぜか圧迫感を感じて風に当たりに行く。


(駐車場に行ったのは1回だけだから・・・)


――そうだ、過去のことを引きずって思い出して落ち込んでたときだ。


(先生は、すごい。
どうして話してないのに自分のことをわかっちゃうんだろう・・・)
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