有明先生と瑞穂さん
帰りは先程よりも暗くて人気がない道に入った。


「…私一人だったらここ歩けないですよ」

「思ってたより暗かったね。…ごめんね」

「いっ、いやっ!怖くはないんですけどね!あはは!」


強がった瞬間、ポイ捨てされた空き缶が風にあおられ

カランカラン!

と音を立て、びっくりした瑞穂は慌てて振り向く。


(ちょっ、そういうのベタなんですけど!!)

頭の中で無機物の空き缶に文句を言った。




それを見た有明先生は笑うのか…と思ったが意外にも瑞穂をじっと見つめる。


「…?」


無表情のままふいに繋がれた手を離し、今度は指を絡めて繋ぎなおした。



(…!えええ!)


手はさっきより余計に密着し、瑞穂より大きい手や指が絡まり少し窮屈になる。


(か、カップル繋ぎってやつだよね…)


やっぱり今日の有明先生は少し強引だ。
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