有明先生と瑞穂さん
「晴子ご飯食べないの?」

「・・・たべる」

有馬から言われて重い頭をゆっくりと持ち上げ弁当箱を鞄から取り出した。

(食べなきゃお腹減る・・・けど・・・食欲ない・・・)

弁当箱を開けるとおかずのにおいが広がり、いつもならおいしそうと感じるのだが・・・




「晴子?」

「・・・・・・き、きもちわる・・・」


「えぇえ?!」


瑞穂の顔は真っ青になり手で口を押さえる。

「ちょっ、どーしちゃったのよ今日は!風邪でも引いた?」

「いや・・・昨日眠れなくて・・・」

「とりあえず保健室いこ!私連れてってあげるからさ」

「で、でもべんと・・・」

「んなもん吐きながら食うもんじゃないでしょーがっ!」


有馬は瑞穂の腕を引いて半強制的に保健室へ連行した。


「せんせーっ!この子具合悪いみたいだからしばらく寝かせてあげて」

「あらーどうしたの?」

「いや・・・昨日ちょっと眠れなかっただけなんですけど・・・」

「あらあらーしばらく横になってなさい。今ベッド開いてるから」

保険医と有馬がてきぱきと面倒を見てくれている。

(うう・・・申し訳ない・・・)

「じゃー晴子、弁当ここに置いておくから具合よくなってお腹減ったら食べな。
それと飲み物いる?」

「大丈夫・・・ありがとう・・・」

有馬は結構面倒見がいいなぁとしみじみ思う。

「お茶とお水ならここにもあるから大丈夫よ、有馬さん」

「そっか、保健室だもんね。じゃー私教室戻るから」

そう言い残して有馬は保健室を後にした。
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