有明先生と瑞穂さん
一呼吸おいてにっこり笑う。


「だから貴女が、勇気を出してでも友達と一緒に遊びたいと思うなら誘ってあげなさい。
もし都合が悪くて断ることになってもきっと喜んでくれるわよ」



(気づかなかった…)

(そうか、怖いのは自分だけじゃないよね)

(みんなのためにもずっと受身なのは、逆によくないよね)



そんな顔を見て愛野先生は満足そうに笑った。





(でもなぁ…何て言って誘えばいいんだろ)


いざ誘おうと思い立ってもやっぱり怖いもんは怖い。

瑞穂は慎重だった。

(うーん、誘うってこんなに気遣うことだったのか…。今までみんなに悪いことしたな)


人によってはそこまで気にしない人間も多いだろうが、妙なとこで瑞穂は反省する。


(あっ、そうだ!)


部活を終えた瑞穂は急いで体育館へ走った。
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