有明先生と瑞穂さん
しかし瑞穂の期待は裏切られ、次の日も布津の態度がおかしかった。

「布津ぅー」
と喋りかければサササッとどこかへ逃げる、ということを繰り替えされ、周りからも「喧嘩?」と聞かれるほど布津の態度はあからさまに変わった。



「・・・・」


「晴子ー、次移動一緒に行こ」

「あー、うん…」

「ん?どうしたの?元気なくない?」


言われて、結構へこんでる自分に改めて気づき驚く。


「うん…落ち込んでるかも」

「・・・・布津のこと?」

理由を知る有馬はなるべく平静を装って聞く。

「うん、やっぱり様子おかしいって思うよね?」

「まぁあれだけ露骨にされたらね」

「私何かやっちゃったのかなーと思ってさ」

「えっ!」


(これって…ヤバい方向に話進んでない?)

有馬は内心少し焦る。


「今まで布津と喧嘩とかしたことないし、嫌な態度とか取られたことなかったから知らないうちに何やっても不快に思わないって思っちゃってたのかもしれない」


瑞穂がこんなに落ち込んでるところは初めて見た。


「か、考えすぎだってぇー!!
だって瑞穂別に何にもしてないじゃん?!

あっ、ホラアレじゃないかなー?
深江と付き合い出したから距離置いたがいいって思ってるんだよきっと!そうだよ!」


ちょっと無理があるかとは思ったがこのままでは違うところで問題が起きると思い慌てて修正する。


「そう…かな…」

「そうだって!
だって晴子も言ったんでしょ?!布津に、今までどおりじゃ駄目だって」

「え、何で知ってるの?」

「んぇ?!あー、えっと布津が言ってたんだよ」

「あ、そーかぁ…」
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