有明先生と瑞穂さん
休み時間―――

「おいっ、布津!」

ドカッ


トイレに向かう布津を有馬が後ろから乱暴に蹴り上げた。


「いてぇ!」

蹴られた尻を押さえて布津は前のめりになる。


「有馬、俺を痔にしたいの?」

「いいからちょっと!」

「?」

不機嫌そうな有馬に呼ばれて行くと、人気の少ない廊下の角に深江もいた。


「どうした?俺ちゃんと守って喋ってねーぞ」

このメンバーだと何も言わずとも瑞穂絡みだと気づく。


「布津君のへったくそ!」

「駆け引き下手!」

「馬鹿!」

「単細胞!」

二人は口々に罵声を浴びせる。

「すんません心が痛いんですけど」

少し涙が出そうだ。


有馬が眉間にシワを寄せて不機嫌そうにため息をついた。


「あんたもっとうまくやりなさいよねー」

「うまく?俺ちゃんと守ってたぞ!
心がズッキズキしたのに頑張ったぞ!」

「…馬鹿」


いつもは優しい深江が冷たい。
怖い。
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