有明先生と瑞穂さん

かすれた声と共にそれはするすると頬を伝ってぽたりと地面に落ちた。



――私はまだ、こんなにも布津に頼りきってたなんて



知らなかった。





目からはとまることなくぼたぼたと涙がこぼれ落ちる。

それをぬぐうこともせずにじっとゆがむ視界で布津を見つめる。




と、ふいに布津が瑞穂の方を振向いた。



「！」


（瑞穂？！）




誰かに呼ばれたような気がして何となく振向いたその先には涙を流す瑞穂が立っている。


「みずっ…」


「！」


声をかける前に瑞穂は慌てて走り去った。