有明先生と瑞穂さん
布津の表情は読み取れないような顔をしている。


「ほら、そんなとこ座ってないで立てって」

言われるがままに立ち上がると、スカートや足に土や葉っぱがついて汚れていた。

立ち上がると余計にどこを見ていいかわからずにつま先を見つめる。


「ほら、来い」


優しい声で、でも少し乱暴な声で布津が片手を差し出す。


瑞穂がおずおずと一歩踏み出すと布津は腕を強引に引いてその胸の中に瑞穂をおさめた。


「・・・!」


一瞬腕で胸を押し返した瑞穂よりも強い力でぎゅうっと瑞穂を抱きしめる。





瑞穂の涙がぴたりと止まった。
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