有明先生と瑞穂さん
「ね、そろそろ離して」


布津はイヤイヤと首を振り、更に瑞穂を抱きしめる。



「恥ずかしいから・・・お願い」

「!」




今までだったらこんなことなかった。
『異性』として見られたことなんてなかった。


離れるのは嫌だけど、布津はそれが少し嬉しい。


布津はしぶしぶと頭を上げた。

二人の目が合う。

お互い顔が赤い。




と、瑞穂が目を見開いた。



「・・・せんせ・・!」



瑞穂の視線の先には校内の廊下から驚いた顔をして二人を見つめる有明先生の姿があった。


肩が上下して髪が少し乱れている。


先生も瑞穂を心配して校内を探し回っていたのだろう。
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