有明先生と瑞穂さん
シャワーを浴びていたのは20分程。
あまり刺激すればきっとすぐに起きてしまうだろう。


ベッドにゆっくりと体を預けると瑞穂の髪をサラリと撫でた。


・・・まだ起きる様子はない。


心地よさそうな呼吸のリズムで肩が上下する。


寝返りでも打ってこっちを向けばいいのに。



腕を回してゆっくり手を握る。


(ああ・・・さすがに起きてしまうかもしれないな)


そう思いながらもゆっくりと体を寄せて後ろから抱きしめた。


(起きた時の言い訳は・・・後で考えればいい)


今こうして触れていられることが幸せだ。


もう駄目だと思った。

終わりだと思った。

嫌われることを覚悟・・・というよりむしろ、いっそ嫌ってくれればいいと思っていた。



それなのに今こうして傍にいられる。
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