有明先生と瑞穂さん
「くしゅっ」




小さな音が聞こえて有明先生は目が覚めた。



「…さむっ」


夏とは言え、朝方は少し寒い。


夕べ知らない間に布団を蹴っ飛ばしてしまったんだろうか。


目を閉じたまま手探りで布団を探す。



「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・あっ!!」




――そうだ、瑞穂さん!!



思い出し、急に目が覚め飛び起きる。



カーテンからもれる光がもう夜ではないことを告げている。


(やばい…!!)


はっとして隣を見ると体を縮こまらせて瑞穂が眠っている。

さっきのくしゃみは瑞穂のものだ。


肝心の布団はベッドの下に落ちていた。


慌てて時計を確認する。


朝8:00――――



「~~~~~っ!!」


顔面蒼白・・・

確か門限は夜11時だったはず。
そうでなくとも朝帰り。



これは・・・やばい。



サーーっと血の気が引いていく…。



「みっ、瑞穂さん!!」


隣で眠る瑞穂を揺り起こす。

「んーー、んん~~?」


当の本人は眉をしかめて目を擦り、反応はするものの、暢気そうに起きる気配がない。
< 392 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop