有明先生と瑞穂さん
(考えてみれば・・・
大人の男性の家で二人っきりなのに一晩泊まっちゃうなんてとんでもないことやっちゃったんじゃないの、私・・・)


昨日は眠くて判断ができなかった。


立派な立派な朝帰り。


親の顔が浮かんで後ろめたさを感じる。


「ごめんね・・・起こさなきゃいけなかったんだけど俺まで寝ちゃって」

「いや、先生は悪くないですよ!」

「そんなことないよ、責任はある。
もし必要ならご両親に謝りにも行くから・・・」


思っていたより重い言葉が余計に事の重大さを伝えている。


先生からすれば自分は大人で教師なのにそういうところをしっかりできていなかった――。

世間から見れば誰が悪いと判断されるかすぐわかることだ。


瑞穂は眠気で間違った判断をしたとはいえ、先生に迷惑をかけてしまったのだ。


「・・・ごめんなさい。
でも本当に大丈夫です。
親は北海道に出張してるから言わない限り気づかないと思うので」

「そう、よかった・・・」

先生はほっと胸をなでおろした。
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