有明先生と瑞穂さん

勢いよく蛇口から水が流れる音がして有明先生が顔を洗っていた。


「先生～…あっ」


「ん？ちょっと待って…」


（後でもよかったんだけど…）


顔を流し終わり、キュッと蛇口を閉めてタオルで軽く顔を拭いた先生が振りむくと思わず瑞穂は叫んだ。



「えっ！何ソレかわいい！」


「はっ…？」


突然の言葉に『？』という顔をする先生の姿は邪魔にならないように前髪をピンで上にとめていた。

有馬が見たら喜びそうだ。


ほころんだ顔でじっとそのおでこを見つめていたのだが普段通りの行動の為、何のことだかわからずに顔を拭きながら『？』を浮かべ続ける有明先生。



「…そうですよね、先生前髪長いですもんね」


「え…あっ、ああ！」


せっかく貴重な姿なのに、気づいた先生は恥ずかしがりながら慌ててピンを外した。