有明先生と瑞穂さん
「今時髪の長い男の人も邪魔になる時だけつけてたりするじゃないですか。
だからそんな恥ずかしがることないですよ~」


口ではそう言うがニヤニヤする瑞穂。


「いやっ…これは俺のじゃなくってかづ……」



また『加津佐』の話になり、自分でも気付いたのか話しやめてしまう。


この家には加津佐が居座りすぎて、本人がいないのにどこにでも加津佐の影があるという特殊な家である。



「加津佐さんが置いていったんですか?」


「…そうだよ」


(使ってみたら意外にも便利だったってことかな?)


瑞穂は笑いを堪えた。
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