有明先生と瑞穂さん
「げほっ!ごほっ!!かはっ!!!」


見た目どころではない。
予想以上の辛さだ。
一体これをどうしろと言うのだ。

喉を空気が通過するだけでも痛くて息がまともにできずに涙目になる瑞穂を心配し、有明先生は背中をさすった。

「だ、大丈夫?やっぱり無理だよね・・・どうしようか」

ゼーゼー言いながらもなんとか息を整える。

「他に食べ物ないし・・・どこか食べに行く?」


「はぁっ・・・はぁっ・・・
で、でも、もったいな・・・くないですか、ね・・・」

「いやでも、たった一口でこの殺傷能力だよ。食べれないよ・・・」


作った本人には聞かせられない程ボロクソである。


先生に用意してもらった水をたくさん飲んで、舌はまだ痺れながらも落ち着いた瑞穂はこれがどうにかならないものかと考えた。

「・・・うーん、じゃあちょっと冷蔵庫見せてもらってもいいですか」

「え・・・何か作ってくれるの?」

ちょっと嬉しそうな顔をする先生に「しまった!」と思い恥ずかしくなる瑞穂。

「いや・・・料理はできないんですけど・・・どうせこのままでも捨てちゃうしかないのならどうにか工夫してみて、それでも駄目だった時でいいかなって思って」

最後にもう一度、ほんとに料理は出来ないのだがと付け加えた。


妙に期待されて裏切るものができても困る。
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