有明先生と瑞穂さん
ゴクリ・・・


思わず唾を飲み背筋を伸ばす。



「なんかよくわかんないんですけど食べれると思いますよ」


満足げにニコニコしながらどこからか見つけてきた鍋敷を置いて、これまたどこからか見つけてきた一人用の土鍋をドンッと置いた。


瑞穂がフタを開ける様子がまるでスローモーションのようにゆっくりに見える。


「・・・これは!!」


「どうですか?!」



おじやだ!!!



見た目は普通のおじや。
溶いた卵がおいしそうだ。

キムチぞうすいといったところか。



ひとまずほっと胸をなでおろした。


茶碗に装ってもらい一口。

・・・おいしい!これならあんなに辛かったものも食べれる。


「どうですか?お口に合いますかね?」

「うん、すごくおいしいよ。ありがとう瑞穂さん」


そういうと照れくさそうに笑った。


好きな人の手作りでその人に盛ってもらって一緒に食べる――。
幸せなひとときである。



それにしてもさすが瑞穂。
やれば難なくこなしてしまう女である。
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