有明先生と瑞穂さん
瑞穂が本当はやれば何でもできてしまうことを、有明はまだ知らない。


有馬や深江と仲良くなって変わりつつある瑞穂だが、未だに人前であまり本気で何かをすることは滅多にない。


瑞穂はまだ、人から『特別』な眼差しを向けられることを恐れている――。





「ごちそうさま」

「ごちそうさまでした」


鍋は綺麗にカラになり、おなかも満足になった。

二人とも朝からこんなに食べたのは久しぶりだ。


「もうこんな時間か・・・」


日頃多忙な有明は休みの日も採点など仕事を持ち込みやっていた。
こんなにゆっくりすごすのは久しぶりだ。

こんな気持ちになるのも、隣に瑞穂がいるからだ・・・。


「瑞穂さん、今日は予定ある?」

「いや・・・何もないですけど・・・」

「それじゃあ今日一日俺とデートしてくれない?」

「え?!」


デートと言う言葉に顔を赤くする瑞穂を見てまた満足げに笑った。
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