有明先生と瑞穂さん
そんな瑞穂の顔を見てよっぽどおかしかったのか、有明先生は肩を揺らして笑いを堪えた。

それでも「くくくっ」と漏れた笑いに余計に恥ずかしくなる。


そのまま顔を伏せてうつむくと有明先生の手が眼鏡、マスク、フードをひとつひとつ外していく。






「・・・大丈夫だよ。いざという時は俺が守るから」





有明先生の優しい声。
そんなセリフに目を見開く。

顔を上げると先生がニッコリ笑って、


「ね?」


なんて言うから、瑞穂は小さく頷くことしかできなかった。





(違うのに・・・)

(もし誰かに見られて危ないのは、私じゃなくて先生の方でしょう?)




その言葉がなぜか出てこなかった。
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