有明先生と瑞穂さん
「さすがに俺もコレはなぁ・・・」

そう言いながら瑞穂の手から派手な眼鏡を取り上げてマジマジと見る。


「私のこと見てたんですから先生も掛けて見せてくださいよー」

唇を尖らせて言うと「やだよ」といじわるそうな笑顔が返ってきた。



そんな他愛もないやりとりをしながらしばらくして有明先生の眼鏡が決まり、視力を調節する間に待合の椅子に座って先生を待った。


しばらくすると先生がやってきたがその顔には眼鏡がかかっていない。


「あれ?まだ眼鏡できないんですか?」


「うん。いつもはすぐにできるんだけど、よその店舗から在庫持ってこなきゃいけないらしくって1時間くらいかかるみたい。
どうしようか?」

「1時間かー・・・微妙ですね」


二人で「う~ん」と考え込んだ。


と、有明先生が口を開く。






「そうだ、加津佐の仕事場興味ない?」


「え?」



その顔は今日一番のワル顔だ。
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