有明先生と瑞穂さん
「・・・・」


眼鏡屋まで10分程度。

もくもくと無言で歩いていると有明先生も何も話さない。


(この沈黙が気まずいのは私だけか・・・?)


瑞穂の脳内は後ろの方で有明先生が笑いを堪えながら『プププー化粧も髪型も似合ってないー』と影で思ってるんじゃないかという妄想にさえ駆られ始めた。





「瑞穂さん」


「!!」



突然歩く瑞穂の腕を引く有明先生。


「え!な、なんですか!?」


気づけば変な汗がびっしょりだ・・・。



「どこまで行くの?」

「・・・へ?」


有明先生が指を差す方向を見るとすでに眼鏡屋の前だった。


「あ・・・私ぼーっとしてて」

「はは、置いて行かれるのかと思ったよ」


いつもどおりに笑う先生に、自分の大げさな程の被害妄想とのギャップを感じて力が抜ける。
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