有明先生と瑞穂さん
「僕が連れていきましょう」


もちろん有明だ。


「あら、有明先生。
あ、ちょっと待っててくださいね。
・・・もしもし、今有明先生がいらしてて」


保健医は慌てて内線先に事情を説明して電話を切った。


カーテンのせいで状況は見えないがベッドがきしんで有明が起き上がったのがわかる。


「よろしいんですか?有明先生」

「ええ、当直までまだ時間ありますから」

「まあよかった。先ほども職員室はあまり先生がいらっしゃらないようだったから」

「それはタイミングがよかったですね」


二人のハハハと和やかな笑いが聞こえるが瑞穂は気が気ではなかった。
< 47 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop