有明先生と瑞穂さん
「布津は･･･憶測で人を悪く言うような奴じゃないと思ってたけど」


「――っ！」


瑞穂の言葉がよっぽど聞いたのか顔を青くしてのけぞった。


「･･･わりぃ」


瑞穂にとって布津は低俗な噂や憶測で人を判断しないところは尊敬している。

それによって瑞穂も救われてきた。

布津自信も、瑞穂がそう思っていることを知っている。





「･･･他にかわいい子たくさんいるじゃない。
生徒だってたくさんいるのに･･･何で私になるのよ。
おかしいじゃない」



これは少し本音だ。

同じマンションというきっかけがあったからたまたま自分だったのかもしれない――･･･


どう考えても自分はとびぬけてかわいいわけではないし、何かができるわけでもない。


そんな自分が人から特別に思われるだなんて･･･



「それは･･･違うだろ」


「･･･え？」


「それは先生だとか、年齢とか関係なく、俺だって一緒だろ」


「あ･･･」
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