有明先生と瑞穂さん
(何で私、一瞬でも布津を疑っちゃったんだろう・・・)

布津の反応を見て更に思う。
そんなことを簡単に人に話すような人間じゃないのに・・・。



「私、布津に話したって聞いた時真っ先に布津のこと疑っちゃったんだ。ゴメン」


隠してはいられずに素直に謝ると、布津は理解できずに首をかしげる。


「その・・・布津が、誰かに話しちゃうんじゃないかって・・・」


「あー、それか。
誰にも言やーしねえよ?」


「うん、わかってる」


コクリと頷く隣の瑞穂の表情は布津からはよく見えなかった。


(だって、言ったらお前、悲しむだろ?)


その言葉はこっそり飲み込んだ。



「有明ってああ見えてムッツリの変態なのかなーって思ってたんだけどよ!
話してみるとそうじゃねーみたいだし?
アイツがモテんのなんかよくわかった気がするよー。
顔だけじゃないんだな!」


落ち込む瑞穂を励ますためにわざと明るく振舞う。
だが瑞穂の反応は予想外な方向へ向いた。



「え・・・・・・やっぱりあの、資料室でのアレってそういう流れでのソレだったの?」


いつの間にか瑞穂と布津の距離がえらく離れている。



「は?!ち、ちげーよ!!
んなワケねーだろ?!」
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