有明先生と瑞穂さん
教頭が立ち去った後、椅子の背もたれの体重を乗せて天井を仰いだ。



(俺、何で教師になったんだっけ・・・・・・)


気分も体も重く沈み、何かに負けてしまいそうだ。


それでも好きなひとと友達との旅行のために・・・とまた机に向かうのだった。







***




「あーもう、ほんとバカ。信じらんないー」

「何だよ、いいじゃねーかよー」

「よくない!バカ!」


街中を歩きながら布津と瑞穂はブツブツと言い争いをしている。



「何で家まで迎えに来ちゃうのよー。
普通マンションの前に来たら電話かメールかするでしょー?!
お母さんのあの反応・・・もうヤダー」


「いいじゃんか。
昔はああやっていつも迎えに行ってやったろ?」

「小学校の頃と今じゃ全然違うのよ!」


何が悪いのかサッパリ理解できていない布津に諦めため息をつく。


(ああ・・・出てくるときのお母さんのあのニヤニヤ顔・・・。
お父さんに余計なこと言わなきゃいいんだけど)
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