有明先生と瑞穂さん
「――――!!!



ひぇ・・・・・・」


「うわバカっ・・・」


「!!」



驚いて大きな声を出しかけた瑞穂の口を布津は乱暴に手でふさぐ。

はっと我に返るとやんわりと手をどけながらもう一度「バカ・・・」と布津が呟いた。




「だって・・・」


「だって布津が・・・」


「へ、変なことするから・・・」




「変なこと言うし・・・」



しどろもどろになりながら言うと布津もバツが悪そうな顔をした。



「わ、わりぃ」


「布津のバカ・・・」


「わりぃ」


「あほ」


「ごめん・・・」


「スケベ」


「えっ・・・!!」



布津も自分に対してそういうことを考えるのだろうか。

キスされそうになっても、家に誘われても、好きだと言われても




やっぱり少しだけ信じられない。




映画のベッドシーンはソフトな表現だったのに、二人して目を向けられなかった。
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