有明先生と瑞穂さん
「俺んち・・・誘ったときさ・・・」

言いづらそうに、それでも目は離さない。


「下心があったっちゃあ、あったんだけどさ・・・

でも断ってくれてちょっとホッとしてんだ」



「どういうこと・・・?」



「実はちょっと不安だったんだ。
やっと俺の気持ち伝わったーって思ってたんだけど、あんまり今までと変わんねーし・・・

俺の気持ちに気づいても瑞穂は俺に対して何にも変わってねーんじゃねーかって思ってたんだ」


異性の家に誘ってみて、すんなりOKを出すかどうかで判断したというわけだ。


「布津からどう見えてるかは知らないけど、私の中ではすごく変わったよ。
目まぐるしいくらい・・・」


布津が少しだけ目を見開く。



信号が青になり歩行者が次々に前へ歩き出し、瑞穂も一歩足を進めた。

と、布津が瑞穂の腕を掴んでとめる。


「・・・・・?」


「俺のこと」


「え?」


「俺のこと、
ちゃんと特別に、見てくれてるか?

その他大勢じゃなくて

『特別な友達』でもなくて

恋愛対象だって

見てくれてる?



俺のこと、特別・・・・・・?」



布津がすがるような目で私を見た。
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